UX TOKYO JAM 2014 に行ってきた。UX関連のイベントは、はじめての参加だった。
スライドやエントリがいい感じにまとまってる。
当日のtweet。
2トラックあって、聴いたトラックはこんな感じ。
- オープニングキーノート
- 前田 俊幸 (ユーザーリサーチャー / UX Tokyo 主宰)
- Empathy in UX Design
- 村越 悟 (グリー株式会社 UXデザイナー)
- 水野 太 (UXデザイナー / インフォメーションアーキテクト)
- モデレーター:坂田 一倫 (株式会社コンセント ユーザーエクスペリエンスアーキテクト)
- UX StudyとしてのFeasibility Study
- 新明 智 (株式会社ココナラ 取締役)
- UX戦略を考えるための本質的ユーザー理解
- 井登 友一 (株式会社インフォバーン 取締役 京都支社長)
- クロージングキーノート
- 長谷川 敦士 (株式会社コンセント 代表 / インフォメーションアーキテクト)
僕のペルソナはこんな感じ。
- 33歳 男性
- Rubyプログラマ
- 自社で運営するWebサービスの開発
- 技術好き
- デザイン、UIもそこそこ好き
- 技術系勉強会には参加するけど、UXの勉強会には参加したことがない
- エンジニアとしてよいサービス作るために、UXにも取り組みたい
- UXには興味があるけど、身近に実践している人がいない
- UX、なんか難しそうだと思ってる
- UX、もうちょっと仲良くなりたい
オープニングキーノート
スライドやメモから、気になったことを。
- CVRばかり追っていて、なにやってるんだろうと思って、座禅を組みに行った。
- 信じていること
- 「心は行動となり、行動は習癖を生む、習癖は品性を作り、品性は運命を決する」
- デジタルシフト
- ユーザとの接点として従来のチャネルから主従が変わりつつある
- 顧客側へのパワーシフト
- デジタル=セルフサービスチャネル
- どれも差がない
- 生活スタイル、ニーズの多様化
- もの→体験
- 顧客志向化
- ビジネスの生き残りをかける課題
- デジタル=セルフサービスチャネル
- 設計対象が変わる 1.UI、インタラクション 2.カスタマージャーニー 3.ビジネスシステム
- UCD(ユーザー中心設計 User Centered Design)
- UCD
- UCD Long Loop
- UCD Multi Loop
- UCD Big Loop
- UX 0, 1, 100
- UX 1 → 100
- より大きなインパクトを生むには?
- UX 0 → 1
- 価値を想像するには?
- UX 0
- 社会をどうしたらいいのか?
- UX 1 → 100
UCDのループの話、面白かった。
UCD Long Loopでは、長い時間の付き合いを考える必要がある。
UCD Multi LoopではO2Oやさまざまなチャネルを統合するし、ひとつの体験としてまとめる必要がある。
UCD Big Loopではビジネス全体を経営戦略といったレベルで考える必要がある。
取り組んでいけるところを探したい。
Empathy in UX Design
Empathy(共感)って、はじめて知った言葉だった。
さまざまな立場のひとの話が聴けた。
正直なところ、組織作りや経営といったスケールの大きい話は、それがUXがどう関連するのかがよくわからなかった。ただ、最後のクロージングキーノートを聴いたら、ちょっとわかった気がする。
そんな中、村越さんのお話にはあれこれ共感した。中間管理職という立場が、いちばん身近だったからだと思う。
UIがだめだと、世界観やゲームモデルに届かなくなっちゃいますよ。そのためにユーザテストをやりやすい環境を用意して、ユーザテストのメリットを共感してもらえるようにしたそう。
あと、Empathyの逆はエゴという言葉が印象的だった。
UX StudyとしてのFeasibility Study
いちばん参考になったセッション。
- UX Tokyo - #UXTOKYO JAM 2014 セッション紹介:UX StudyとしてのFeasibility Study #UXTOKYOB
- ココナラ - あなたの得意でハッピーが広がるワンコインマーケット
ココナラ、使ったことがなかった。こんなサービス。
ココナラとは何ですか?
ココナラは、みんなの「得意(経験・知識・スキル)」をオンライン上で売り買いできる、モノを売らないフリーマーケットです。 誰でも自分がオンライン上でできることを、1回500円のサービスとして出品でき、そのサービスを受けてみたい人は誰でも購入することができます。
たぶんスライドは公開されないと思う。こちらはセッションで紹介されていた、別のスライド。これも参考になる。
聞きながら書いたメモ。
- UXってなんだっけ?
- 事業の立ち上げのときには、ユーザの経験や体験はわかっていない
- フィージビリティ・スタディを通じて、作りながらユーザのことを理解していく
- UXデザインの3階層
- サービスデザイン
- 提供サービス自体のビジネスモデル
- アクティビティデザイン
- サービス実現のための体験全体シナリオ
- UXStudy ここで学んで、それぞれの階層を行き来したりする
- インタラクション
- タッチポイント UI
- UXStudy ここで学んで、それぞれの階層を行き来したりする
- サービスデザイン
- マイクロサービスプラットフォーム
- Two-Sided Marketplaces
- C2C
- buyers <=> platform <=> sellers
- 2つのユーザ体験を作って、それぞれがバランスを保っていないと行けない
- どちらかがうまくまわらないと、もう片方もうまくまわらない
- 出品側の検証
- 買う人
- 男性はちゃんとした製品とかしっかりしたものを買いたい
- 女性はもうちょっとカジュアル
- ユーザインタビューで、お金を使ってくれそうなのはは30-40代女性
- 30-40代女性にフォーカス?
- それがやりたかったのか?
- もっと大きなことをやりたかったのでは?
- 大事だけど、そうじゃないよね
- パーソナルな相談を知らない人にするのか?
- ベータ版でユーザー購入パターン分析
- いけそう
- エモーショングラフ
- マーケットプレイスはマッチングした時に上がる
- 出品したあと下がっていく
- UXの要素(Definition of UX from UX White Paper)
- 予期的UX
- 一時的UX
- エピソード的UX
- 累積的UX
- 出品者の予期的UXをコントールする
- セルフゴールがある。自己実現とか役に立ちたいという思い
- それを最初に伝える
- 売り手を集めるか買い手を集めるか
- にわとりと卵だけど、出品者サイドをまず集めていくことが重要
- インタラクションデザインについては割愛
- ↑にはったスライドが、インタラクションデザインのスライド
- ユーザエクスペリエンスを知りたい。でもわからない
- ビジネスモデルを理解する
- なにを知りたいのかという仮説をちゃんと持つ
- どうやったらそれを知ることができるのか
- 失敗談
- 回答するひとはテキストうつの面倒じゃない?
- 回答を音声でやってみよう
- 大失敗
- ユーザのコンテキストを無視していた
- 自分が会えないユーザのビジネスモデルを作っちゃだめ
- 回答するひとはテキストうつの面倒じゃない?
サービス立ち上げ前から、現在までに取り組んできた内容を聴くことができて、イメージしやすかったし、お話自体もわかりやすかった。UXをどうやって考えてきたのか、ということを知ることができてよかった。
UX戦略を考えるための本質的ユーザー理解
ペルソナについてのセッション。「ペルソナ品質チェックポイント」が、とてもわかりやすかった。
- ペルソナ品質チェックポイント
- “何のためのペルソナか?”が明確になっているか?
- 適切な手法と手順を経た調査をもとにつくられているか?
- 人物像を、データやスペックでなく、活き活きとした生身の人間のストーリーとして描けているか?
- 感情移入ができるか?他者に感情を込めて他己紹介できるか?
- 出来上がったペルソナは、あなたにとって自社の製品や サービスの改良や、顧客とのコミュニケーションを発想する助け になるか?
ちょっと前に、長谷川恭久さんのエントリを読んだ。
サイトへ訪れる目的は人それぞれです。それ故、人間像を設定することすら難しいことがあります。しかし、ペルソナの設定で重要なのは「誰」を対象にしていることを考えるより、「なぜ」訪問してきているのかを考える機会を与えてくれるところです。
何のためのペルソナか?が大事なんだろうな、と思った。
クロージングキーノート
こちらのエントリの内容をさらに噛み砕いたような説明で、とてもわかりやすかった。UXについて詳しくない僕でも理解できた。と思う。
スライドが公開されているので内容が重なるけど、メモから自分にとって印象に残ったことを書いておく。
- UI/UX 言うな
- 券売機のUI
- あれこれ説明が貼ってある
- 成田エクスプレス号の購入方法
- 頻度が低く、あまり気にならない重要度が低い
- 悪いユーザビリティでも毎日使っていれば慣れてしまう
- 業務システムでよくある
- 本当のUXの視点
- そもそも券売機でチケット発券する必要があるのか?
- 電車に乗りたいのであって、券売機のUIはひとつの手段、要素でしかない
- UI = 手段
- UX = 結果
- 結果としての、ユーザの体験がどのようなものになるのかを考える
- ゴールを考えるのと、手段を考えるのは違う
- 荷物が30分で届くなら、UIがどんなにひどくても、そのサービスには価値があるだろう
- 「踊るクマ」問題
- クマに芸を覚えさせるのは難しい
- クマが踊っているだけで価値がある時代
- 多くのクマが踊り始めると
- どんな踊りなのかかが問われる時代←いまここ
- ドナルド・ノーマン
- 組織横断的なUX改善アプローチを推進
- Amazon
- Kindle Fireの好調な理由はなんでしょうか?
- Kindle Fireがただのデバイスではなくサービスだからです。
- グッズドミナントロジック
- 顧客へものを提供
- サービスドミナントロジック
- 顧客へサービスを提供。ものは構成要素のひとつ
- 事業戦略とUXデザインがひとつになってる
- UXは手段ではなく、結果
- UXはビジネスそのもの
- UXデザイナが未来をつくる
これまで、UXに携わっている人たちが、なぜUIとUXを併記することにたいして、これほどまでにNOを唱えているのかわからなかった。
「ゴールを考えるのと、手段を考えるのは違う」、「UIは手段」、「UXは結果」という話を聴いて、やっと少し理解できたと思う。なるほど、手段と結果は違う。そして、ゴールを考えることは、ビジネスそのものなんだね。だから組織作りや経営自体にも関わってくるんだと思った。
まとめ
楽しいイベントだった!知り合いがほとんどいなかったけど、友達がスタッフをやっていてちょっと安心した。
懇親会で何人かの人と話したけど、エンジニア/プログラマな人には会わなかった。やっぱりUXに興味を持つエンジニアって少ないのかな。
セッションを聴いていて、アジャイルマニフェストを思い出した。
アジャイルソフトウェア開発宣言
私たちは、ソフトウェア開発の実践あるいは実践を手助けをする活動を通じて、よりよい開発方法を見つけだそうとしている。この活動を通して、私たちは以下の価値に至った。
プロセスやツールよりも個人と対話を、
包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、
契約交渉よりも顧客との協調を、
計画に従うことよりも変化への対応を、
価値とする。すなわち、左記のことがらに価値があることを認めながらも、私たちは右記のことがらにより価値をおく。
エンジニアもUXデザイナも、考えるべきことは同じだと思う。手段ではなく、よいゴールを考えていきたい。