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技術、読んだ本、いろいろ。

UIデザインの心理学―わかりやすさ・使いやすさの法則

「UIデザインの心理学―わかりやすさ・使いやすさの法則」を読了した。 書籍はインプレスさんからいただいた。ありがとうございます。

心理学というより、認知心理学といったほうがしっくりくる内容だった。

認知心理学(にんちしんりがく、英語: cognitive psychology)は、情報処理の観点から生体の認知活動を研究する学問である。20世紀前半のゲシュタルト心理学やバートレット、ピアジェヴィゴツキーらの認知論的研究の流れを汲む分野であり、同時にハル、トールマンらの新行動主義心理学の発展形と見ることもできる。20世紀最後の四半世紀以来、現代心理学の主流の座にあると言える。

認知心理学 - Wikipedia

デザイナーではないので、認知心理学をどうやってUIに活かすかというよりも、自分はこうやってUIを認識しているのかという驚きと気付きが多かった。

例えば「第5章 周辺視野」ではこんな図(中心窩が[ログイン]ボタンに向けられているときのユーザの視野の様子を再現したもの)があって、納得した。 ログインボタンだけはっきり見えて、その中心から外れるほどぼやけていく。

これまでに「ノンデザイナーズ・デザインブック」や「誰のためのデザイン?」といった本を読んでいたり、認知心理学認知療法の本を読んだこともあったので、ある程度背景知識があったことで、わかりやすく読めた。また図表が多く理解しやすかった。さまざまな事例や研究結果がまとまっていて、これだけの内容をこの薄さに収めているのはすごい。

自分や他者がUIをどういったプロセスを経て認識しているのかを知ることで、タイトルにもあるように「わかりやすさ・使いやすさの法則」がちょっとずつ見えてくると思う。

34歳になった

34はなんとなく落ち着きのある数字に思える。33はしっくりこなかった。

中学生のころから本を読むようになった。寝る間を惜しんで小説を読んで、授業中に寝ていた。中学生から大学生の間がいちばん本を読んだ時期だった。時間がたっぷりあった。

登場人物のほとんどは年上で、高校生や大学生や社会人だった。だんだんと登場人物の年齢を越えていった。ダンス・ダンス・ダンスでは主人公も五反田くんも34歳だった。僕の34歳では、13歳の女の子とハワイに行ったり、23歳のホテルのフロントの女の子と寝たりすることなさそう。たぶん。

本を読む時間も減って、文章に感動すること減った。18年くらい同じ文章を読み続けて感じ方は変わっていった。感動は減ったけど、懐かしさが増えた。文章は変わっていないから、自分が変わったんだということを実感する。

本を読む時間が減ったぶん、写真と芸術に時間を費やすようになった。小説、写真、芸術と、関心が移っていった。いろいろな展示を観るようになって、もうちょっと理解したくなった。ある程度体系的な知識が欲しくなって、通信制芸術大学の学生になった。ちゃんと勉強しなくては。

2年前に撮った1枚の写真を、いまでもはっきりと覚えている。何年も同じこと考えたりもする。全然変わらない部分と大きく変化する部分の両方があって、たまによくわからなくなるけど、それでも時間は勝手に進むから難しくも楽しい。変わらないところ、変わるところ、それぞれによさがある。きっと。

ターニング・ポイントの35歳まで、あと1年。なにができるかな。

グラフィックレコーディングをやってみよう!ワークショップ

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2015/03/01のグラフィックレコーディングのワークショップのお手伝いをしてきた。HTML5 Conferenceでグラフィックレコーディングしてくれた和波さんが声を掛けてくださって、カメラスタッフとして写真を撮っていた。

当日のレポートがとてもよくまとまっていてすてき。

資料とか

ワークショップの資料も公開されている。すばらしい。

ワークショップの成果物も公開されている。いいね。

当日もグラフィックレコーディングしていた和波さんのLT。よい資料。

あれこれ

グラフィックレコーディングって描き直したりできないから大変じゃないですか?って聞いてみたら、描き直したりできないからこそ、その場の臨場感が伝わったり、その場の雰囲気を伝えることができると思っているって答えてもらって、とても納得した。

ある種の制約があるからこそ、表現できるものってあるよな、と。そういうのは写真も同じだと思う。

自分がグラフィックレコーディングすることはあまりなさそうだけど、ワークショップで出たきた「聴きわける」、「表現する」、「構造化する」ということを実施するのは、エンジニアにとっても役立ちそう。

  • 聴きわける
    • まずは情報を「聴く」
    • 何を話しているのか、 意識して 聴きとっていく
  • 表現する
    • 聴いたものを「表現する」
    • 聴きとったものを スピーディーに 伝わる絵にする
  • 構造化する
    • 表現を「構造化する」
    • 描いた絵や情報の 関係性を考え 構造化する

自分の表現は、グラフィックではないかもしれないけど、こういう訓練はいいなと。inputとoutputに瞬発力が付けば、また違った見方ができる気がした。streamっぽい感じかも。

グラフィックレコーディングを描いているところを何度か観させてもらう機会があって、毎回毎回すごいなーと思っていた。和波さんのLTの資料では、どんなことを考えてグラフィックレコーディングしていたのかを知ることができて面白かった。エンジニアが1行1行のコードに意図を込めるように、ひとつひとつの絵に意図があるんだなと、アウトプットからはわからない部分を知ることができた。

スタッフとして誘ってもらわなければ、参加することのないイベントだった。楽しかったし、いろいろな気付きがあってよかった。あとは写真をよろこんでもらえてうれしかった。過程が残る、というのは写真のよいところだな、と。そんなこと考えずに撮っていたけど。