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技術、読んだ本、いろいろ。

こころと脳の対話

河合隼雄さんの本を前から読んでみたかったけど、読んでなかった。林さんのこのエントリを読んで、河合隼雄さんの本を読んでみたいけど読んでないんですと話したら、「こころと脳の対話」を薦めていただいたので読んでみた。

どんな本かも知らずに買って、読みはじめたら、とても面白かった。

「こころと脳の対話」は河合隼雄茂木健一郎の3回の対話をまとめたもの。それぞれこんなタイトルがついている。

  • 第1回 こころと脳の不思議
  • 第2回 箱庭と夢と無意識
  • 第3回 「魂」を救う対話

「箱庭と夢と無意識」が興味深かった。感想というか、本書の内容をかいつまんで書けるほどの理解できていないので、気に入ったところを引用する。

僕、一度いって、感激されたことあるんですけれどね。その人は一生懸命話をされるし、こっちも一生懸命聞いて、それでもその人が話しだすとどうしても僕が眠くなる、という人がいたんです(笑)。疲れていたら眠くなるのは当たり前だけど、疲れてないしね、僕、一生懸命仕事してるのに。

で、とうとう、「もう本当に申し訳ないんだけれど、あなたの話を聞いていると僕は眠くなってしまう。なにか思い当たりますか」と言ったんです。そしたら、「わかります」と言われた。「いちばん大事なことをいってません」って。

話を聞いているととても疲れてしまう人がいる、という文脈での会話。話の内容と、疲れ具合の乖離が大きいほど、相手の症状は深い、とあった。普通の話をしているのに、聞いているとなぜかものすごく疲れてしまう、という感じ。話の内容以外のところに、なにかあるんだろうな、と。

そうか。シンクロニシティというのは、外のものと外のものがシンクロするんじゃなくて、自分の無意識と外のものとが呼応すると。

このシンクロニシティについての話が面白かった。Wikipediaの説明じゃ、全然理解できないけど。突然何かが気になったり、好きになったりすることがたまにある。因果関係が説明できないけど、気になってしまう感じ。

僕はよくいうんですよ。僕がここにいて、いまここにこの灰皿があるというだけでも、こんな不思議なことはないんちゃうか。「なぜ、この灰皿が、いまここにあるんやろ?」と思うだけで、一日暮れますよって。

そういう見方で、こう生きているわけだから、まあ、おもしろいこと多いんですよね、ほんまに。

この文章も、シンクロニシティの文脈で語られていた。こういう見方で生きていれば、そりゃ面白いだろうな。

やっぱり僕らの知覚というのは、どうも言語に頼りすぎているんですよ。言語表現に頼りすぎているけれど、本当は僕の体験なんかでいうと、言語で表現されているのは一部分でしょう。

中略

その言葉にするときに、その人の体験が、その人のなかで動くじゃないですか。そういうのを僕らはキャッチしていると思う。そういうのをキャッチするからしんどうなるとか、そういうことがあるんだと思いますね。

話を聞いているととても疲れてしまう人がいる、という話の続きのようなもの。体験を言語するとその人の中で何かが動いて、その動いたものについては言語化されないし語られないんだろうけど、伝わるものがあるんだろうな。

違う言い方をすると、苦しんでる人がこられたら、苦しみをとるんじゃなくて、苦しみを正面から受け止めるようにしているのが僕らの仕事やと思っています。

とても難しいこと。

壁に向かって話すのはだめだし、自分で考えると、絶対、堂々めぐりします。ところが生きている人間が正面から聞くと、堂々めぐりがとまるんです。もうそれだけで僕を頼りにきてるんじゃないかな、と思うくらいです。

人がいると、やっぱり違うよね。仕事してて相談されてうなずいているだけで、本人が勝手に解決しちゃうことって、よくある。人がいると、堂々めぐりしないんだろうな。

「いちばん初め、先生にあったときに、この先生で自分は治ると思った」

中略

「僕、何をしてましたか」

「何をしておられたかというは、すごくむずかしいんだけれども、あえていうなら、もし人間に『魂』というものがあるとしたら、そこだけをみておられました……」

きれいな女性が相談に来て、顔にも服装にもまったく関心を示さず、話の内容にも注意を向けていなくて、何をしていたか?という内容。いいね。


シンクロニシティ」について、もうちょっと考えていきたい。箱庭もいつかやってみたい。

こういうふうに本を読んだりして、カジュアルに考えることについて考えてみるのは、なかなか楽しい。「こころの処方箋」とか「村上春樹河合隼雄に会いにいく」とか「なるほどの対話(よしもとばななとの対談)」とか、比較的軽そうなものをもうちょっと読んでみたい。

こころと脳の対話 (新潮文庫)
河合 隼雄 茂木 健一郎
新潮社 (2011-06-26)
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