齋藤陽道写真展「宝箱」と、齋藤陽道さんと谷川俊太郎さんの筆談対談に行ってきた
齋藤陽道写真展「宝箱」に、そして齋藤陽道さんと谷川俊太郎さんの筆談対談に行ってきた。すてきな写真展と対談だった。 twitterで写真展のことを知ってfacebookでシェアしたら、友達がコメントくれて、さらに筆談対談に申し込んでくれた。感謝。
- 齋藤陽道 宝箱展 写真展
- 齋藤陽道 × 谷川俊太郎(詩人)「てっぺんの光」
おふたりともtwitterをやっている。不思議で楽しい時代だなーと思ってしまう。
齋藤陽道 × 谷川俊太郎 「てっぺんの光」
齋藤陽道さんの写真は観たことなく、谷川俊太郎さんの詩はほとんど読んだことがなかった。せっかく対談を聞ける(読める)ので、いくつか観たり読んだりしてから参加した。 調べてみたらほぼ日のコンテンツがあって、朝の電車で読んでいた。齋藤さんが生まれつき耳が聞こえないことを、これを読んで知った。
メモを取っていたわけではないので、言葉の細部は違うかもしれないけど、こんな感じだったかな、こんな印象だったかな、と思い出しながら書いていく。
おふたりが会うのははじめてということだったけど、「はじめまして、きみいくつ?」「30です」「まごくらいかな」という楽しい筆談で、うちとけた雰囲気ではじまった。
音楽はきみにとってどういうもの?
谷川さんが「音楽はきみとってどういうもの?」と聞いたときの、齋藤さんの回答が印象的だった。確かこんな感じ。
「音楽は想像がつかなくて、でもずっと考え続けられる。宇宙を思うように、すきなひとを思うように」
宇宙って、確かにあるけどすごく遠くてよくわからなくて、でもなんだかすてきっぽい。すきなひとのことって、よくわからないけど、ずっと考えられる気がする。わかりやすいね。こういうやりとりを、見て聞いて読めたのがうれしかった、楽しかった。
ぼくはぼく
筆談のなかで、谷川さんが詩を朗読してくださった。「ぼくはぼく」という詩集にある「ぼく」という詩だった。
朗読がはじまるまえから、一緒に来た友達がぽろぽろずるずると泣いていて、朗読がはじまったら僕もうるうるほろっとたまにずずっと泣いた。よい涙。
それなりに本は読むけど、詩はほとんど読まない。でもはじめて詩や朗読のちからを実感した。もうちょっと読んでみる。
宝箱
写真を観て、僕はこのひとの写真がだいすきだなーと思った。こんな写真が撮ってみたい!と思った。
色が素直で自然な感じで、光がとても美しい。一点に惹きつけられる感じではないんだけど、ずーっと観ていたくなっちゃう。
すごいけど観ていると疲れてしまうような写真もある。じーっと観ていると目と頭が疲れる。色彩とはあまり関係ない気がする。モノクロの写真でもそういうことがあるから。それはそれでもちろんすてきな写真なんだけど。
齋藤さんの写真は、極端な色でも淡い色でもない。遠くから見てぱっと目を引くという感じでもない。
でもずーっと観ていられる。ずーっとみてると、いろんなものが詰まっているのをちょっとずつ感じる。
写真とか、あれこれ
僕はそんなにたくさん写真を観ないし、好きな写真家もあまりいないし、写真集もほとんど買わない。 僕が最初に好きになったのは、ダカフェ日記の写真だった。こんなに惹かれたのはそれ以来だな、と思った。
ダカフェ日記をみたのは一眼レフを買った後だけど、そこから単焦点の楽しさを感じて、自分もこんな写真が撮ってみたい、と思った。もちろん、そんな写真は撮れていないけど、あこがれのようなものがある。 そんなあこがれから写真を取り続け、EOS kiss x2からはじまって、ダカフェ日記の森さんが使っていた5D Mark2を買ってしまった。さすがに齋藤さんの使っているPentax67は買わないと思うけど。
去年撮ったいちばんの写真はいま見返しても、すごいいちまいだった。ごくまれに自分の能力を超えたものが写る。一眼レフを買ってからこれまでに何万枚か撮っているけど、このいちまいが撮れたから写真を撮っていてよかった、と思った。ファインダーを覗くときに見ているものと、写真としして写ったものはぜんぜん違う。写真ぜんぜん写実的じゃないからおもしろい。
写真と言葉と音、すてきだった。夜と霧を読んだときにも思ったけど、それでも世界はうつくしい。写真を撮りたくなった。たくさんじゃなくて、いろいろ撮りたい。カメラ持ってシャッター切りたい。
写真展のチケットは、期間中は何度も観れるのでまた行きたい。仕事のあとであまり時間がなかったから、今度はゆっくりじっくり観たい。写真展は3/16まで。
筆談対談が終わった後、みんなで写真集や詩集の販売にならんだ。その場でサインしてもらえて、谷川さんには朗読が聴けてうれしかったです。と伝えることができ、齋藤さんとは両手で握手してお礼をいうことができた。
帰り道にやにやしながら、楽しかったね、うふふ、よかったね、うへへ、とか言いながらてくてく歩いた。渋谷でビールを飲んだ。すてきな金曜日だった。